2024/5/5

私たちの「記憶の継承ラボ」(https://relay-memories.hus.osaka-u.ac.jp/)が、昨年10月に開催しましたシンポジウムの総括としてのブックレット『記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ(「21世紀課題群と東アジアの新環境」シンポジウムシリーズ②)』三好恵真子・吉成哲平編)を今年の3月に刊行させて頂きました。
本ブックレットの構成として、第一部は、基調報告を行った院生とディスカッサントを務めてくださった先生の貴重な論文が収録されています。
また第二部は、モデレーターがリードする対談形式で長崎の平和活動の実践家の方々の語りとその想い、またそれに触れることのできた当日のフロアーの感動について、その臨場感を極力お伝えするために文字起こしを基本とし、長崎に残されている貴重な写真も併せながら再現しています。
さらに本書ならではの魅力として、当日のシンポジウムに参加して頂いた専門性の異なる9名の若手研究者たちが、それぞれの思いを継いでご寄稿くださり、第三部にて紹介しています。
冊子体と併せて刊行しました電子版(全編カラー)は、以下のURLよりご覧頂くことが出来ます。
【『記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ』OUFCブックレット Vol.18】
https://ir.library.osaka-u.ac.jp/repo/ouka/all/94661/oufc_18.pdf 

http://hdl.handle.net/11094/94661 
おかげさまをもちまして、本書は多くの方にご覧頂き、貴重な反響も頂いています。私たちの環境行動学研究室のFacebookページでもその一部をご紹介させて頂いており、こちらも是非ご覧頂けましたら幸いです。
【大阪大学人間科学研究科環境行動学(人間環境論)研究室Facebook
https://www.facebook.com/930912686973768?ref=embed_page
なお、上記のブックレットでは「コラム」(①・③・④・第二部に際して)として、このホームページにて公開している写真を含む、これまで私が長崎、沖縄、水俣、福島で記憶の継承に向けて日々、尽力されている実践家の方々から学ばせて頂く中で撮影してきた写真と、その時その時に受け取った思いもそれぞれ記しています。宜しければ、併せてご覧下さい。
より多くの方々に本書をご覧頂けることを願っています。
2023/08/28
私もメンバーとして参加させて頂いている、大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター・IMPACTオープンプロジェクト「記憶の継承」ラボ(https://relay-memories.hus.osaka-u.ac.jp)では、1028日(土)にオンライン形式にてシンポジウムを開催することになりました。タイトルを「記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ」と題し、ポスト体験時代に生きる私たちの記憶の継承について、参加者の皆様と共に考えていきたいと思っています。
シンポジウムは、以下の通り2部構成となりますが、まず第1部では私を含む院生による研究成果報告を行い、続く第2部では写真を通じた院生たちのフィールド(長崎・沖縄・福島・水俣等)での学びの共有に加え、長崎にて被爆校舎の保存と平和活動に尽力されている城山小学校平和祈念館の実践家の方々をお招きし、現場での貴重な取り組みについてご紹介頂きます。
第1部 <基調報告> アジア地域史の視座から共振する戦争・戦後体験
第2部 <話題提供・総合討論> 記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ
下記が、シンポジウムの参加申込フォームとなります。
【シンポジウム申込フォーム】
https://forms.gle/bArom5JtUw9EXKsp7 
私自身、写真家・東松照明さんの足跡を辿り、長崎を訪れる中で、城山小学校平和祈念館の皆様から大切な学びをいつも頂いています。是非、沢山の方にシンポジウムへご参加頂き、いま、私たちはいかにして戦争・戦後体験を未来に継承してゆけるのかを共に考える時間とすることが出来ましたら嬉しいです。​​​​​​​
2023/08/04
学術専門書・教養書の出版社である世界思想社のウェブマガジン「せかいしそう」にて、若手研究者たちが学問をつきつめる「おもしろさ」を伝えるリレー連載、「ガクモンのめ」(第3回)で、私の研究紹介記事を掲載して頂きました。
タイトルは、「いつからが「戦後」なのだろう――写真家たちが見つめた暮らしから辿り直す」です。
写真家・東松照明さんの足跡から浮かび上がる「戦後」の暮らしについて、私自身がこれまで長崎や沖縄を訪れてきた際の経験をもとに紹介させて頂いています。
今年の夏で、アジア・太平洋戦争の終結から78年を迎えます。
記事を通じ、戦争体験の継承について共に考えるきっかけとなれば幸いです。
【「せかいしそう」】
https://web.sekaishisosha.jp/
【「いつからが「戦後」なのだろう――写真家たちが見つめた暮らしから辿り直す」】
https://web.sekaishisosha.jp/posts/7347 


2022/09/01
来月、1029日(土)に、オンラインシンポジウムにて講演をさせて頂くこととなりました。今年2022年は、1972年の沖縄の本土復帰や日中国交正常化といった歴史的な出来事から数えて50年の節目でもありますが、そうしたこの半世紀の歩みを東アジアの若手研究者が中心となって共に考えてゆく企画となります。
私は、これまでその足跡を辿ってきた写真家である東松照明さんが、本土復帰前の沖縄の現実を目の当たりにする中で私たちに何を伝えようとしたのかを中心にお話をさせて頂く予定です。是非、多くの方にご来場頂けましたら幸いです。
以下が、シンポジウムの詳細となります。
21世紀課題群と東アジアの新環境」第1回シンポジウム
「この50年の歩みを共に考える―それぞれの出来事をいま振り返る意味」
 【趣旨】
 今から遡ること50年前の1972年は、沖縄が本土に復帰すると共に、日中の国交が回復した戦後の節目となる年であった。戦災復興から高度成長を遂げた戦後日本は、その数年前に開催された大阪万博が象徴したように、対内的には安保闘争や公害問題等を抱えつつも、世界第2位の経済大国としての「繁栄」を謳歌していた。しかしその一方で、冷戦体制下でベトナム戦争は泥沼化し、また地球規模での環境問題への関心の高まりは国連人間環境宣言の採択へと結実する。これら一連の出来事が内包していた根本的な諸課題は、半世紀後の2022年の現実とそのまま地続きであることをいま改めて思い起こしたい。
 そこで本シンポジウムでは、これまで十数年以上にわたり東アジアでの学術交流に取り組み続けてきた大阪大学中国文化フォーラムの活動の蓄積を活かし、異なる専門領域の若手研究者たちが協働してこの50年の歩みを共に振り返ることで、コロナ禍やウクライナ侵攻後の混乱が続く中で、いま私たち一人ひとりが考えてゆくべき事柄を共に分かち合い、未来を展望していきたい。
日 時:20221029日(土)13:00~16:30
場 所:オンライン開催 with Zoom
参 加:要申込・無料
言 語:日本語
主 催:大阪大学グローバル日本学教育研究拠点プロジェクト
              「21世紀課題群と東アジアの新環境:実践志向型地域研究の拠点構築」
共 催:大阪大学中国文化フォーラム
              大阪大学人間科学部・人間科学研究科創立50周年記念事業委員会
【プログラム】
開会挨拶:三好 恵真子(大阪大学人間科学研究科)13:00~13:05
第一部 <基調報告> 歴史的出来事から現在への射程13:05~14:35
司会:三好 恵真子(大阪大学人間科学研究科)
報告①  沖縄復帰50年と戦後日本社会(13:05~13:35) 
         「写真家 東松照明が伝えようとした復帰前の沖縄の現実                                                  ―平和憲法を持つ「祖国」の退廃への葛藤と責任」
               吉成 哲平(大阪大学人間科学研究科DC)
報告②  日中国交正常化50年と戦争認識(13:35~14:05) 
          「国交正常化以降の日中戦争研究の動向と戦争認識の変化」
               鄒 燦(南開大学日本研究院)
報告③  日台断交50年と在日華僑(14:05~14:35) 
             「在日華僑の1970年代――断交/国交正常化後の華僑組織と「二つの中国」問題」」
               岡野 翔太(大阪大学レーザー科学研究所) 
―休憩(10分)― 
第二部 <話題提供> 社会転換期に暮らす生の営為14:45~15:30
司会:林 礼釗(大阪大学人間科学研究科)
話題①  躍進する中国経済とビジネスモデルの転換(14:45~15:00
         「中国家電産業の発展と日系企業」
              衛 娣(愛知大学国際中国学研究センター)
話題②  グローバル化する中国の大気汚染に向き合う人びとの眼差し(15:00~15:15) 
      「大気汚染を巡るメディア報道の変遷と市民のリスク認知」
     許 俊卿(大阪大学人間科学研究科DC)
話題③  社会の荒波を生き抜く中国農民の直向きな姿(15:15~15:30) 
   「激動する時代を生きる農民一人ひとりの葛藤と主体的選択」
     張 曼青(大阪大学人間科学研究科DC)
―休憩(10分)―
第三部 <全体討論> それぞれの出来事をいま振り返る意味15:40~16:25
ファシリテーター:林 礼釗(大阪大学人間科学研究科)
パネリスト:第一部、第二部の報告者6
ディスカッサント:許 衛東(大阪大学経済学研究科)
                  小林 清治(大阪大学人間科学研究科)
                  周 雨霏(帝京大学外国語学部国際日本学科)
閉会挨拶:田中 仁(公益財団法人東洋文庫研究部・大阪大学名誉教授)(16:25~16:30) 
【参加申込フォーム】
https://forms.gle/ro4pe9ASwhXzMsg161028日(金)締め切り)
2021/11/29
毎週水曜日10:45~11:00に放送されている大阪のラジオ番組、YES-fm「ハートフルステーション」にて、来月8日(水)から三週にわたり、拙著『写真家 星野道夫が問い続けた「人間と自然の関わり」』についてお話をさせて頂けることとなりました。星野作品への思いや、アラスカでの経験も交えながら、本とこれからの研究の展望について、お伝えすることが出来ればと考えています。
こちらの番組はインターネットを通じ同時配信もされており、宜しければ是非お聴き頂けましたら幸いです。以下が、番組の詳細となります。
【番組名】
「ハートフルステーション」
(大阪ミナミのコミュニティFM「YES-fm」、毎週水曜日 10:45~11:00
https://www.yesfm.jp/prgcat/heartfull/
【放送日】
12/8(水)
1回:「写真家 星野道夫さんの作品との出会いから、アラスカへ」
12/15(水)
2回:「写真家 星野道夫が問い続けた「人間と自然の関わり」」
12/22(水)
3回:「写真家たちの眼から描き出していく、戦後のひとびとの暮らし」
(*総集編としての番組再放送は、来年1月の毎週日曜日 22:30~23:00の予定です)
【インターネット配信URL
https://fmplapla.com/yesfm
(*リンク先の「ブラウザ版プレーヤー」下の矢印ボタンをクリックして頂くと、お手持ちのスマートフォンまたはPCよりお聴き頂けます)
2021/10/18
私の所属学会である日本生活学会の、若手を中心とする会員の活動をインタビュー形式で紹介する「生活学会の100人」にて、現在までの研究の歩みを取り上げて頂きました。
こうして、多くの方々から頂いているご縁と支えの中で、日々一歩ずつ研究を積み重ねることが出来ておりますことを、感謝申し上げます。是非、ご覧頂けましたら幸いです。
【日本生活学会の100人】
「「写真実践」から描き出してゆく、戦後の生活者の営みとその思想」
http://lifology.jp/people100/vol19yoshinari/
2021/06/24
 73日(土)14~16時に、大阪大学大学院人間科学研究科附属未来共創センター様にて、拙著『写真家 星野道夫が問い続けた「人間と自然の関わり」』(大阪大学出版会、2021年)を巡るブックトークイベント(Zoom)を開催させて頂きます。
当日は、星野道夫さんを始め、異なる時代を生きた戦後写真家の方々が、ファインダー越しにひとびとの暮らしを見つめ続けてゆく中でその思索を深化させてゆく姿について、この度の出版への御礼の気持ちを込め、お話をさせて頂きたいと思っています。公開のイベントとなります。ぜひ、お気軽にお越し下さい。
以下が、企画の詳細となります。
ランチトーク特別編 風景との出会いの中で展開され続ける「写真実践」 ― 写真家たちの眼を通じて捉えられた、ひとびとの暮らし
【開催日時】
202173日(土)14~16
【企画概要】
 かつてアラスカを旅した写真家である星野道夫は、「どうして人間はここにいるのか、そしてどういう方向に行こうとしているのか」という根源的な問いをその心に抱きながら、人間と自然の関わりを見つめ続けました。そして、この私自身の研究の出発点でもある星野作品の分析を通じて、星野が約20年に渡る撮影活動の中で、やがて自らの生命と、野生生物から果ては氷河に至るまで、あらゆる存在を一つのものとして感じ取っていったことが見出されてきました。何よりここにはまた、21世紀という新しい時代を前に、急速に変化してゆくひとびとの暮らしの行方を共に見届けようとする姿がありました。
 その一方で、同時に浮かび上がってきたのは、このように暮らしと向き合う中で、カメラ越しに複雑な葛藤を抱えつつ「問い」を深めてゆく姿が、星野とは異なる時代を生きた戦後写真家たちにも通底する側面です。例えば、「戦後写真の巨人」とも称される東松照明は、長崎での終わらない原爆被害への衝撃より、同地の被爆者を30年以上の時間をかけて撮り続け、また、それまで鉱山と都市との結びつきを考えてきた畠山直哉は、東日本大震災以後の故郷の復興を、割り切れぬ思いを抱えながら見つめ続けてゆくその姿がありました。
 今回は、このように写真家たちが一人一人の生活者の営みを捉え続ける中で、その胸中を深めてゆくそれぞれの撮影活動の軌跡より、現在まで私が体系化を試みている「写真実践」という新たな方法論について、皆さまと共有させて頂きたいと思います。
【ご案内ページ】
【お申込みフォーム】
なお、大阪大学出版会様より、本企画への参加をご検討の皆様へ、期間限定(~7/11)で拙著『写真家 星野道夫が問い続けた「人間と自然の関わり」』を、特別価格にてご提供頂いております。是非、以下のリンクより詳細をご覧下さい。
皆様のご来場を、心よりお待ちしております。

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