about

吉成　哲平
大阪大学大学院人間科学研究科・環境行動学研究分野・博士後期課程。専門は生活環境論。
自身も写真を撮りながら、写真家たちの見つめ続けた「戦後」の生活者の思想的営為を描く研究に取り組んでいる。
【環境行動学研究室HP】
https://env.hus.osaka-u.ac.jp

【オープンプロジェクト「記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ」】
https://relay-memories.hus.osaka-u.ac.jp
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「頬を撫でる極北の風の感触、夏のツンドラの甘い匂い、白夜の淡い光、見過ごしそうな小さなワスレナグサのたたずまい...…ふと立ち止まり、少し気持ちを込めて、五感の記憶の中にそんな風景を残してゆきたい。何も生み出すことのない、ただ流れてゆく時を、大切にしたい。あわただしい、人間の日々の営みと並行して、もうひとつの時間が流れていることを、いつも心のどこかで感じていたい。
　そんなことを、いつの日か、自分の子どもに伝えてゆけるだろうか。
　いつまでも眠ることができなかった。風の音に耳をすませながら、生まれたばかりの、まだ見たことのない生命の気配を、夜の闇の中に探していた。」
　　　　　　　　　　　　                                                                                                                          「ワスレナグサ」
星野道夫『旅をする木』
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