【共編著】
三好恵真子・吉成哲平編『記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ(「21世紀課題群と東アジアの新環境」シンポジウムシリーズ②)』OUFC Booklet Vol.18ISSN 2187-6487(オンライン))
■大阪大学学術情報庫(OUKA)
https://hdl.handle.net/11094/94661
<目次>
刊行に寄せて「次世代へと受け継がれていくこと――「ポスト体験時代」の記憶の継承に向けて」                      三好恵真子

第一部 <基調報告> アジア地域史の視座から共振する戦争・戦後体験


報告① 沖縄での出会いから受けとめた「戦後」の暮らしの実相
「「私性」から「公性」へと拓かれてゆく「写真実践」――写真家 東松照明が直面し埋めようとした沖縄の現実との距離」  
吉成哲平

  コラム①
   沖縄の風景の中に生きている沖縄戦の記憶を受け止めて  吉成哲平


報告② 移動の経験から「歴史している」主体としての「歴史実践」
「結婚移民として日中「二つの東北」を生きる中国人女性のライフストーリー――対話的インタビューから見えてくる戦争認識とその継承」
王石諾

  コラム②
   移住者である女性たちの自発的な集まりから見えてくるもの 王石諾


報告③ 自然と共存するアジア的理性の創出に向けて
「社会転換期における環境ガバナンスへの参与――中国環境NGOリーダーの奮闘記から読み解かれる内在的自律性とその啓示」
冷昕媛

  コラム③
   水俣での学びから私たちの足元に広がる生活の歴史を見つめ直す 吉成哲平


ディスカッサント①
「「経済地誌」再構築の試みからの所感――記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログに寄せて」     
 許衛東

ディスカッサント②
「福島と満州のあいだ――ある女性の軌跡から垣間見えるもの」         
 小林清治

  コラム④
   3.11の複層的な時間の中で福島に営まれ続ける暮らしが私たちに問いかけること 吉成哲平


第二部 <話題提供・総合討論> 記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ

  第二部に際して
   城山小学校平和祈念館の実践家の方々との出会いから広がり、深まってきた長崎との縁(えにし)  吉成哲平


① 未来に伝え継ぐべきこと「フィールドで学んだ記憶の継承への志」
「写真を介して共有するフィールドでの私たちの学び」
吉成哲平・王石諾・冷昕媛

② 現場からのレスポンス「長崎の平和活動に込める願い」
「城山小学校平和祈念館の取り組み」
山口政則(城山小学校被爆校舎平和発信協議会・会長)
松尾眞一郎(“天空のRAKUGAKI”drawing作家/城山小学校被爆校舎平和発信協議会・会員)

③ 総合討論「他者と「共にある」ということ」
山口政則・松尾眞一郎・吉成哲平・小林清治・三好恵真子・他参加者

  コラム⑤
   「他者と「共にある」ということ――日常を生きる中で受け取った生涯をかけての平和活動の重み」 
   三好恵真子


第三部 <応 答> シンポジウムに参加して

レスポンス①
「メディアとしての身体の可能性――「写真実践」における撮影者の〈身体〉と祈りを捧げる子どもの〈身体〉」        
上林梓

レスポンス②
「私性の折り重なりとしての「記憶」」
 瀧口隆

レスポンス③
「中国におけるコロナ禍でのロックダウン経験の記憶について――城山小学校平和祈念館の活動から得た一考察」
上官世璁

レスポンス④
「戦没者を悼むこころと語り継ぐ人々――長崎とイタリア・モデナの犠牲者への思い」               
小松啓子

レスポンス⑤
「公害経験の継承から考える「負の歴史」のパブリック・ヒストリー化」 
馬建

レスポンス⑥
「中国環境NGOの行動から」
朝木日力格

レスポンス⑦
「中国における主体による環境問題の分類に関する一考察」
胡毓瑜

レスポンス⑧
「行動からはじまる」
西村花菜

レスポンス⑨
「それぞれの場所で努力をすること――「記憶の継承を祈念するグローバル・ダイアログ」に参加して」                                   流川冬子

  コラム⑥
   その他参加者の声


附録①:シンポジウム案内用チラシ
附録②:フィールドの写真
執筆者紹介
あとがき 吉成哲平






【単著】
吉成哲平(三好恵真子 監修)『写真家 星野道夫が問い続けた「人間と自然の関わり」』大阪大学出版会、2021

■大阪大学出版会(書籍紹介ページ)
https://www.osaka-up.or.jp/book.php?isbn=978-4-87259-728-8


<目次>
刊行に寄せて「語り継がれていくこと」― 星野直子
序 章 星野道夫との出会い、そしてアラスカへ
1節 私と星野作品の間に流れてきた時間
2節 長く想い続けたアラスカへ
3節 本書の目的
4節 本書の構成について
第Ⅰ部 新たな方法論としての「写真実践」
1章 写真を撮り続ける中で重層されゆく思索
1節 写真実践とは何か
2節 類似する先行研究との相違
2章 風景との出会いの中で揺れ動く写真家たちの心のひだを見つめて
1節 写真実践をどう捉えていくか
2節 根源的な問いとともに出会いを待ち望む―星野道夫
3節 断絶を越え、一人の人間として向き合い続けた「戦争の影」―東松照明
4節 予期しえない風景から生まれてゆく無数の問い―畠山直哉
3章 写真実践を重層させることにより浮かび上がる共通項
1節 人間の一生を越えて続いてきた時間、続いていく時間
2節 写真家たちが見つめる生と死
3節 境界を越え、つながりを見つけてゆく横断的思索
4節 写真家たちの未来へのまなざし
第Ⅱ部 星野がアラスカで見出してゆく内実を「写真実践」から読み解く
4章 見過ごされてきた星野道夫の写真実践
1節 従来の「星野道夫論」を越える意義
5章 分断され論じられ続けてきたアラスカの人間と自然
1節 アラスカ先住民と自然との関わり、その精神世界
2節 アラスカ先住民を周縁化してきた幾重ものまなざし
3節 今も人間と結ばれているアラスカの自然
第6章 「長い旅の途上」で星野道夫が見出したコスモロジー
1節 分析対象作品およびその方法について
2節 旅し、住まう中で考え続けられた「人間と自然の関わり」
3節 「無窮の彼方への旅」から捉え直される諸存在
4節 星野道夫が辿り着いたコスモスとその時空
7章 星野道夫のアニミズム論への展望と「内なる自然」
1節 先見的なアニミズム論との共通項
2節 領域を越えつながってゆく思索と志
3節 時空を越え暮らしへと結ばれゆく写真家たちの実践
終 章 再びのアラスカにて―そして写真実践は続く

巻末表4-1 これまでに発表された星野作品
巻末表6-1 星野道夫全エッセイ
写真出典一覧
参考文献
あとがき
監修者のことば―三好恵真子
索引/執筆者紹介/巻末カラー写真
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